初めて不動産売却を行った方は、その後大きな壁にぶつかるケースが多いです。
その壁こそが、今回解説する確定申告です。
不動産売却後の確定申告に対し、疑問や悩みを持っている方は多いかと思うので、ここからは1つずつ解決していきたいと思います。
気になる方はぜひ最後までご覧ください。
不動産売却後は必ず確定申告が必要なのか?
結論からいうと、不動産を売却したすべての方が申告しなければいけないわけではありません。
申告が必要な方とそうでない方の特徴はそれぞれ以下の通りです。
確定申告が必要な人 | ・不動産売却によって売却益を得た人 ・不動産売却の控除、特例を利用する人 |
確定申告が不要な人 | ・不動産売却によって損失が出た人 |
ちなみに、不動産売却によって利益が出ていなくても、一定の要件をクリアする場合は申告した方が良いこともあります。
なぜなら、譲渡損失の損益通算、繰越控除が可能であれば、税金の還付が受けられる可能性があるからです。
確定申告の時期はいつなのか?
これまで、自身で確定申告を行ったことがないという方は、時期についてもイマイチピンと来ていないかもしれません。
確定申告は、通常2月16日~3月15日に行うものです。
期限が土日・祝日とかぶってしまう場合は、その次の日が期限となります。
ちなみに、特別なことがない限り、上記の時期が変更になることはありませんが、震災や感染症の流行などがあった場合はその限りではありません。
実際、2020年の確定申告期限は、新型コロナウイルスが猛威を振るったことにより、1ヶ月ほど延長されています。
確定申告をしなかった場合のペナルティは?
不動産売却後、確定申告をする義務が発生しているにも関わらず、それを怠った場合には、さまざまなペナルティを受けることになります。
まず、期限を過ぎてしまった場合は、延滞税を支払わなければいけません。
こちらは、文字通り申告が延滞したことに対して課せられる税金で、延滞期間が長くなるほど税率は高くなっていきます。
ちなみに、他の追徴課税には、以下のようなものがあります。
・過少申告加算税
・無申告加算税
・重加算税
過少申告加算税は、期限内に申告、納税をしたものの、本来納める額より少ない金額だったときに課せられます。
税率は10%ですが、期限内に申告した税額または50万円のどちらか多い方を超える金額の部分は、15%を負担しなければいけません。
また、無申告加算税は、3月15日までに確定申告をしなかった場合に課せられます。
税率は15%もしくは20%です。
ちなみに、重加算税は事実の隠蔽または仮装により、実際より少ない納税額を申告した場合に課されるものです。
税率は35%または40%と極めて高く、課せられた際のダメージは甚大です。
確定申告の流れは?
不動産売却後の確定申告の大まかな流れは以下の通りです。
①書類集め
まずは、確定申告に使う以下のような書類を集めるところから始めます。
税務署で取得するもの | 確定申告書第一表/申告書B、確定申告書第三表/申告書(分離課税用)、 譲渡所得内訳書 |
自身が保有しているもの | 不動産売買契約書、諸経費の領収書 |
その他 | 登記証明書、住民票、戸籍謄本など |
②書類作成
譲渡所得内訳書を見ながら、申告書(分離課税用)、申告書Bという順で作成します。
③書類提出
書類を提出する際は、必ずしも直接税務署に訪れる必要はありません。
国税庁の電子申告・納税システムであるe-Taxを利用することもできます。
④税金の支払い
申告された内容をもとに課税額が決定するため、指示に従ってその金額を納めます。
まとめ
ここまで、不動産売却後の大きな壁である確定申告の疑問を解決してきましたが、いかがでしたでしょうか?
確定申告の手続き方法、書類の作成方法がわからないからといって、ゆっくり進めたり、そのまま放置していたりすると、あっという間に申告期限が来てしまいます。
そのため、本記事をご覧になった方は、なるべく早いうちから準備しておくことをおすすめします。