不動産売却は、必ずしも建物の引き渡しが行われるとは限りません。
場合によっては土地のみの状態、つまり更地を売却することもあります。
では不動産売却時、建物を解体する費用は誰が負担するのでしょうか?
また解体費用の金額は、一体どれくらいなのでしょうか?
今回はこれらの点を中心に解説します。
不動産売却の解体費用における費用負担について
一般的に、不動産売却時に発生する解体費用については、売主が負担することが多いです。
特に建物がない更地渡しの場合、売主の責任で解体が実施されるため、費用も売主が支払いします。
また古民家付きの土地として売却する場合、売却前に解体は行われないものの、その後買主が解体を実施する際の費用は実質的に売主負担になります。
具体的には、あらかじめ売却価格から解体費用を差し引く方法で対応するケースがよく見られます。
不動産売却に伴う解体費用の相場について
建物の解体にかかる費用については、その建物の構造や規模などによって大きく変わってきます。
例えば木造で30~35坪程度の場合、120~175万円程度が相場です。
鉄骨造の場合は同じ坪数で180~245万円程度、鉄筋コンクリート造の場合は210~280万円程度かかるケースが多いです。
また解体時には、建物を取り壊す費用だけでなく、付帯物の撤去費用も発生します。
門戸や倉庫、浄化槽や井戸などがある場合はさらに費用が高くなりますし、地中埋設物があった場合はそれの撤去費用も上乗せされます。
さらに建物の前面道路が狭い場合や、高低差がある立地での解体作業を行う場合なども、相場より費用が加算されることが予想されます。
不動産売却に伴う解体費用の経費計上について
不動産売却を行う際に発生した解体費用について、売主は譲渡経費として計上できる可能性があります。
もし計上できたら、譲渡所得税の計算において控除の対象になります。
ただし経費計上が認められるのは、解体の目的が売却であり、なおかつ売却のために必要不可欠な費用である場合のみです。
売買契約書に解体撤去条件が明記されていたり、解体時点で不動産会社と媒介契約を結んでいたりといった証拠があれば、長期間経過しても譲渡費用として認められやすいです。
まとめ
建物を解体した状態で不動産を売却する場合、基本的には売主がその費用を負担します。
そのため、前もって解体にかかる費用は準備しておかなければいけません。
構造や不動産の状態によっては、かなり高額になることも覚悟しておくべきです。
また経費計上についても、解体の必要性がなければ認められないことを覚えておきましょう。