不動産売買は、基本的に売主と買主の同意さえあれば進めることができます。
ここでいう同意とは、不動産売買契約の締結を指しています。
一方、不動産売却時には、特定のケースに限り売主が連帯保証人を用意しなければいけないことがあります。
今回はこちらのケースを中心に解説します。
不動産売却時に連帯保証人が必要なケース
一般的な仲介取引による不動産売却の場合、連帯保証人を用意する必要はありません。
一方任意売却の場合は、連帯保証人が必要になります。
任意売却は、住宅ローンの返済が困難になった場合に、金融機関の合意を得て市場で不動産を売却する手続きです。
特に残債が売却価格を上回るオーバーローンの場合、売却価格でローン残債を完済できないため、連帯保証人の同意が求められます。
連帯保証人は、主債務者と同等の返済義務を負っているため、売却後も残る借金について引き続き支払い義務が発生します。
売主はこの残債に関する条件や返済方法などについて、連帯保証人の理解と同意を得ることが不可欠になります。
その他のケース
たとえ売却する不動産に住宅ローン残債があっても、売却価格で完済できるアンダーローンの場合、売却と同時に抵当権を抹消できます。
そのため、基本的に連帯保証人を用意する必要はありません。
ちなみに住宅ローンでは、保証会社を利用するケースが一般的で、連帯保証人が不要なことが多いです。
一方、親子ローンや自営業者の借入など、特定の条件下で連帯保証人が設定されることもあります。
この場合も、債務が残る状態で売却するのには同意が必要です。
不動産売却時の連帯保証人における注意点
不動産売却における連帯保証人は、主債務者が債務を履行できなくなったとき、代わりに返済する義務があります。
そのため、勝手に連帯保証人を外したり、無断で任意売却を進めたりすることはできません。
売主は連帯保証人のこのような立場を理解した上で、自身と連帯保証人の両方にとって最善の売却方法を選択する必要があります。
またトラブルを避けるためには、連帯保証人に状況を正確に伝え、十分に話し合い、専門家を交えて慎重に進めることが重要です。
まとめ
不動産売却だけに限らず、主債務者と連帯保証人の関係というものはとてもセンシティブです。
そのため、連帯保証人を伴う不動産売却を行う売主はもちろん、連帯保証人側もそのことを深く理解しておかなければいけません。
もしトラブルが発生したら、売主と連帯保証人との関係にヒビが入ったり、不動産売却を進めるのが困難になったりすることも考えられます。
