不動産売却を行い、利益が発生した場合には、確定申告を行わなければいけません。
こちらはサラリーマンの方でも、給与所得とは別に分離課税として申告しなければいけないという決まりがあります。
では、不動産売却後の確定申告を行う際、領収書は必要なのでしょうか?
今回はこちらの点を中心に解説します。
不動産売却後の確定申告で領収書は必要?
結論からいうと、不動産売却後の確定申告において、領収書を提出する必要はありません。
確定申告書には、売却価格や経費の合計額を記載する“譲渡所得の内訳書”などを添付します。
しかし、個々の領収書そのものを添付して提出する必要はありません。
ただし不動産売却の領収書について、売主には保存義務があります。
具体的には5年間、帳簿の場合は7年間、領収書を保存しなければいけないと定められています。
不動産売却時に領収書が必要な理由
確定申告で領収書を提出する必要はありませんが、不動産売却において領収書は必要不可欠な書類です。
不動産売却で得た利益は、売却収入-(取得費+譲渡費用)という計算式で求められます。
この計算式における取得費と譲渡費用を正しく計算し、控除することで節税につながります。
またこれらの費用を証明する書類として、領収書が重要になります。
例えば、以下の領収書や契約書は、税務調査の際に経費として認められるための重要な証拠になります。
・仲介手数料:不動産会社への支払領収書
・印紙税:契約書に貼付した収入印紙
・登記費用:司法書士への報酬領収書、登記済証など
・測量費:土地家屋調査士への支払領収書
・建物の解体費用:解体業者への支払領収書
領収書を紛失した場合
不動産売却に関連する領収書を紛失してしまった場合でも、代替書類で認められることがあります。
例えば不動産売買契約書や銀行の振込明細書、固定資産税の課税明細書などがあれば、取得費が計算できることが考えられます。
もちろん、発行元に依頼すれば、領収書を再発行してもらえる可能性もあります。
ちなみにこれらの書類も一切ない場合、取得費を売却価格の5%とする概算取得費で申告することになり、税金が高くなるおそれがあるため、注意が必要です。
まとめ
不動産売却は、不動産を引き渡し、売却益を得ればすべてが終わるというわけではありません。
利益を出している以上、しっかり確定申告を行い、税負担を抑えて実質の売却金額を高くする工夫が必要です。
また領収書は確定申告で提出する書類ではありませんが、こちらがなければ思いの外税負担が増えてしまう可能性があるため、大事に保管しておきましょう。
