不動産を所有する方が、判断能力を低下させてしまい、施設に入居することになるというのはよくあるケースです。
また不動産を所有する方の相続人に当たる方々は、親御さんが元気なうちに、実家の売却について家族会議を開くことが望ましいです。
今回はこちらの主なポイントを解説します。
実家の売却における家族会議で話し合うべきこと
実家の売却における家族会議では、まず実家が誰の名義になっているのか、共有名義ではないのかといった現状を把握します。
共有名義の場合、売却には共有者全員の同意が必要です。
またなぜ売却するのかを明確にし、こちらも家族全員で共有します。
例えば「相続税の支払いに当てたい」「介護費用に充てたい」「維持管理の負担を軽減したい」といった理由が考えられます。
さらに感情論ではなく、複数の不動産会社に査定を依頼し、市場価格に基づいた客観的な価値を把握することも大切です。
このとき資料やシミュレーション表にまとめることで、説得力が高まります。
ちなみに不動産売却を行うのであれば、当然具体的な進め方についても会議で決定しなければいけません。
誰が中心となって不動産会社とのやり取りや手続きを進めるのか、売却によって得た資金はどう分けるのかなども、必ず決定しておきましょう。
実家の売却に伴う家族会議をうまく進めるためのコツ
実家売却に伴う家族会議を円滑に進めるには、家族全員が納得できる形を目指し、一人の意見に偏らないようにします。
また思い入れのある実家の場合、家族同士で感情的な対立が生じやすいです。
そのため、各自が冷静に事実に基づいた話し合いを心掛けるようにしましょう。
さらに家族同士の意見の対立が激しい場合や複雑な事情がある場合は、第三者である専門家に間に入ってもらうことで、冷静かつ客観的な判断を下しやすくなります。
ここでいう専門家には弁護士や税理士、司法書士や不動産鑑定士などが含まれます。
ちなみに、家族会議で話し合った決定事項を記録しておくことで、後々「言った、言わない」のトラブルが起こることを防げます。
特に家族が疎遠になっていた場合などは、「言った、言わない」のトラブルが起こりやすいため、必ず議事録を残しておきましょう。
まとめ
実家の売却については、単なる不動産売却の一つだと思って侮ってはいけません。
特に今後相続人となり得る家族が多ければ多いほど、トラブルが発生しやすいため、しっかり各自が納得いくように進めていく必要があります。
もちろん、不動産の所有者である親御さんがまだ元気である場合は、親御さんの意思を最優先にすることを忘れてはいけません。
