非居住者とは、日本国内に住所を持たず、通常1年以上海外に居住している個人のことをいいます。
またこのような方が日本国内で不動産売却を行う場合、通常の不動産売却都は異なるポイントを押さえておかなければいけません。
今回は具体的なポイントをいくつか解説します。
源泉徴収の仕組み
非居住者が日本の不動産を売却する場合、買主が代金を支払う際に売却価格の10.21%を所得税としてあらかじめ差し引く「源泉徴収の義務が課されることがあります。
これは、国税庁が確実に納税を確保するための仕組みです。
ただし、以下の条件をすべて満たす場合は源泉徴収が不要となります。
・買主が個人であること
・買主自身またはその親族の居住用(セカンドハウス含む)として購入すること
・売却価格が1億円以下であること
この例外に当てはまらない法人への売却や高額物件の取引では、売主の手元に届く代金が約9割になるため、ローンの完済資金や手残りの計算に注意が必要です。
確定申告と納税管理人の選任
不動産を売却して利益が出た場合、または源泉徴収された税金の還付を受けたい場合には、翌年の2月16日~3月15日までの間に日本で確定申告を行う必要があります。
非居住者は日本に住所がないため、本人に代わって書類の作成や納税手続きを行う納税管理人を定めるのが一般的です。
納税管理人は税務署からの書類受け取り、税金の納付や還付金の受領を代行します。
日本国内に居住している親族や知人のほか、専門的な知識が必要な場合は税理士に依頼することが推奨されます。
申告を怠るとペナルティが課されるリスクがあるため、売却契約が決まった段階で税理士へ相談し、納税管理人届出書を税務署へ提出しておきましょう。
必要書類と署名証明書
非居住者の売却手続きでもっとも時間がかかるのが、本人確認と登記のための書類準備です。
日本国内の居住者が用意する印鑑証明書や住民票が発行できないため、居住国の公的機関による代替書類が必要になります。
具体的には、印鑑証明書の代わりとなる署名証明書や、住民票の代わりとなる住所証明書を用意しなければいけません。
署名証明書は現地の日本大使館や領事館、または公証人の面前で署名を行い、本人のものであることを証明してもらいます。
住所証明書についても、領事館や現地の公証人による認証が必要です。
またこれらの書類は郵送に時間がかかるうえ、言語が日本語でない場合は翻訳文の添付も求められます。
まとめ
非居住者の方は、日本国内での不動産売却における税金や手続きに関して、早い段階で把握し、適切に行動することが大切です。
また具体的な課税のルールについては、国税庁の非居住者に対する課税ページで詳しくチェックしましょう。
さらに、不動産売却の仲介は、海外案件に強い不動産会社へ依頼することを強くおすすめします。
