不動産売却では、売主の親族が買主になるケースもあります。
例えば、親から子へ実家を売却するようなケースが該当します。
しかし、親族間での不動産売却では、一般的な売却にはないトラブルが起こることも考えられます。
今回は、親族間での不動産売却における意外な注意点を解説します。
過去の親族間トラブルの遺恨再燃
親族間での売却は、一見スムーズに見えても、過去の人間関係のしがらみが急に表面化するリスクを孕んでいます。 特にその不動産が過去に相続で引き継がれたものである場合、今回の売却対象に含まれない他の親族から「自分も相続する権利があったのに」と不満が噴出することがあります。
また隣り合う土地に親族が住んでいる場合、土地の境界線について、いざ売却手続きで明確にしようとした途端揉め事に発展するケースも少なくありません。
第三者相手ならビジネスとして割り切れる手続きが、身内だからこそ感情論になりやすく、関係を修復不可能なほど悪化させる引き金になり得ます。
契約不適合責任の免除による不満
親族間だからと「お互い様だから、不具合があっても文句はなしね」と、契約不適合責任を完全に免除して売却するケースが多々あります。 しかし、これが後々のトラブルの元になります。
引き渡し後に地中の埋設物、雨漏り、シロアリの被害など、売主自身も気づいていなかった重大な欠陥が発覚した場合、買主側は高額な修繕費を自腹で払うことになります。
身内とはいえ、数百万円の出費を前に「騙されたのではないか」「知っていて黙っていたのでは」と疑心暗鬼になり、顔を合わせるたびに気まずい思いをすることになりかねません。
親族間であっても、事前に専門家による建物状況調査を行い、状態をクリアにしておくべきです。
同族会社への売却における同族会社の行為計算否認
個人から、自身や親族が経営する同族会社へ不動産を売却する場合、税法上の強烈な落とし穴が存在します。 それが、同族会社の行為計算否認という規定です。
これは通常のルールに形式上は従っていたとしても、税務署が「税金を減らすために、身内の会社を使って不自然な取引を行った」と判断した場合、その取引自体をなかったものとする権限です。
場合によっては、税務署独自の計算で税金を再計算して課税されることもあります。
社長個人の所得税を減らすため、または法人の赤字と相殺するために、都合の良い価格やタイミングで不動産を移転させると厳しい目が向けられ、追徴課税を受けるリスクが高まります。
まとめ
親族間での不動産売却と一口に言っても、さまざまな形があります。 そのため、今後親族間での不動産売却を控えているという場合、自身のケースで起こり得るトラブルは何なのか、事前にある程度把握しておかなければいけません。 不動産売却は大きな金額が動く取引であるため、可能な限りトラブルのリスクを下げる必要があります。
