不動産売却では、多くの売主が「どうすれば高く売れるか」を考えて活動を進めていきます。
しかしそればかりに固執していると、重要な手続きが抜けてしまうリスクが高まるため、注意しなければいけません。
今回は、不動産売却における忘れやすい手続きについて解説します。
住宅ローン完済に伴う抵当権抹消登記
不動産を売却して住宅ローンを完済しても、銀行に設定された抵当権は自動的には消えません。 抵当権が残ったままの不動産は買い手に引き渡せないため、必ず引き渡し日当日に法務局へ抵当権抹消登記を申請する必要があります。
多くの場合、引き渡し決済に立ち会う司法書士が売主の代わりに手続きを行います。
しかし、必要書類は金融機関から直接受け取るか郵送されるため、事前に手配を済ませておく必要があります。
また完済口座の確認や、完済手数料の支払い手続きも忘れがちです。
売却が決まったらすぐにローンを組んでいる金融機関へ連絡し、完済日と必要書類の受け取り方法を確認しましょう。
売却後のふるさと納税の限度額計算
不動産を売却して利益が出ると、その年の住民税や所得税が増額されます。 ふるさと納税の控除限度額はその年の総所得をベースに計算されるため、売却益が出た年はふるさと納税の上限額が大幅に上がるケースが一般的です。
せっかくの節税チャンスですが、上限額が上がることに気づかず、例年通りの少額しか寄付しないまま年を越してしまう人が少なくありません。
逆に、売却による仲介手数料や測量費などの経費が多く、トータルで損失が出た場合は、全体の所得が下がって限度額が減ることもあります。
不動産売却の買い手が見つかり、利益の目処が立った段階で、シミュレーションサイトなどを活用してふるさと納税の限度額を再計算することをおすすめします。
売却翌年の確定申告
不動産の売却手続きは、引き渡しで終わりではありません。 売却した翌年の2月16日~3月15日までの間に、税務署へ確定申告を行う必要があります。
特に注意すべきなのは、売却による利益を非課税にできる3,000万円の特別控除などの税制上の特例を適用したい場合です。
これらの特例は、自動的に適用されるわけではなく、確定申告書に必要事項を記入し、売買契約書の写しや戸籍謄本などの確認書類を添付して提出することで初めて認められます。
もし期限内に申告を忘れてしまうと、特例が受けられず、後から高額な譲渡所得税の請求が届くリスクがあります。
「利益が3,000万円以下だから税金はかからない」と誤解して申告を無視しないよう、必ずカレンダーにメモしておきましょう。
まとめ
不動産売却は、一つでも手続きを忘れてしまうと、大きく計画が狂うことがあります。 そのため、実際売却活動を始める前に、すべての手続きについて書き出すなどの工夫が求められます。 また手続きに関することは、売却の仲介を依頼する不動産会社に相談するのもおすすめです。 不動産会社は、親身になって売主の相談に乗ってくれます。
