不動産売却は多くの段階を踏むことから、最初から最後までスムーズに進む可能性は極めて低いです。
特に、事前にポイントを押さえておかなければ、トラブルに発展することも珍しくありません。
ここからは、不動産売却時、売主が確認しておきたい“トラブルの種”について解説したいと思います。
不動産売却時に確認したいトラブルの種4選
不動産売却時、売主は以下のようなトラブルの種がないかどうか確認しながら、慎重に売却を進めていく必要があります。
・仲介手数料の説明がない
・買主の属性が明確でない
・境界を確認していない
・ホームインスペクションを受けていない
仲介手数料の説明がない
不動産会社に不動産売買の仲介をしてもらう場合には、仲介手数料が発生します。
こちらは、不動産会社と契約する際、仲介手数料の計算方法や、支払時期を決定するのが一般的です。
しかし、不動産会社によっては、このときにきちんと仲介手数料についての説明をしないところもあります。
また、「仲介手数料の金額は法律で決まっている」などと説明し、勝手に金額を決めてしまうケースも見られます。
実際、法律で決まっているのは仲介手数料の上限のみであるため、このような説明は事実ではありません。
そのため、説明を怠る不動産会社の場合、別の不動産会社に仲介を依頼することをおすすめします。
買主の属性が明確でない
買主の職業や経済状況といった属性が明確でない場合、不動産の売買代金が支払われないというトラブルにつながることがあります。
例えば、買主の借入状況などに問題がある場合、ローンの審査に通過できず、残額の支払いができなくなります。
このような場合、売主と買主との間で手付金の返却、媒介契約の取扱い、残金の支払いが問題になります。
そのため、売主は売買契約を結ぶ前に、不動産会社にローンが組めるかどうか確認してもらったり、契約に審査に通過しなかった場合の特約を設けたりする必要があります。
境界を確認していない
不動産売却前には、境界確定に関するトラブルが起こる可能性があります。
よくあるのは、これまで境界を確認しておらず、売却前に境界確定をしようとしたものの、隣地の所有者との間でトラブルが発生するケースです。
自身の土地の範囲を示す筆界線は、目に見えない線です。
こちらを示すものとして境界標がありますが、境界標が建て替え時などに亡失してしまった場合、境界の認識について隣地の所有者と食い違いが起き、なかなか確定することができません。
そのため、自身が所有する不動産の境界については、実際不動産売却を始める前に確認し、きちんと確定しておくことが大切です。
ホームインスペクションを受けていない
ホームインスペクションとは、住宅診断士が物件の外壁や屋根、建物内部、床下に至るまでを細かく調査してくれるサービスをいいます。
こちらを受けていない場合、売主は不動産売却において、契約不適合責任を問われる可能性があります。
不動産売買における契約不適合責任とは、売買契約の履行において、買主に引き渡した物件が、種類・品質・数量に関して契約内容と合っていない場合に、買主に対して負うべき責任のことを指しています。
ホームインスペクションを行い、売主が物件の不具合などについてきちんと把握しておかなければ、こちらの責任を負い、補修や代替物、不足分の引き渡しを行ったり、代金を減額したりしなければいけないことがあります。
まとめ
ここまで、不動産売却時に確認しておきたいトラブルの種について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
トラブルの種を見逃さないことにより、買主や不動産会社とのトラブルを避けつつ、理想の不動産売却を実現できる可能性が高まります。
また、買主や不動産会社との関係を良好に保つことも、不動産売却においてはプラスに働きます。