
不動産売却は、すべてが売主の思い通りに進むとは限りません。
なかなか買い手が見つからなかったり、思いの外良い価格で売れなかったりといった失敗は、誰にでも起こり得ます。
しかし、事前にポイント押さえておけば、そのようなリスクは軽減されます。
今回は、具体的に押さえておくべきポイントをいくつか解説します。
上手に不動産売却を行うためのポイント4選
できる限り思惑通りの不動産売却に近づけたいのであれば、以下のポイントは必ず押さえておくべきです。
・市場価格を把握する
・媒介契約を慎重に選ぶ
・査定価格と売却価格の違いを把握する
・売却価格と手元に残る金額の違いを理解する

市場価格を把握する
不動産売却を行う際は、不動産の市場価格を把握する必要があります。
不動産の売り出し価格については、事前に受けた査定の金額を元に設定するのが一般的ですが、こちらは必ず適正価格であるとは限りません。
稀なケースではありますが、不動産会社が算出した査定額が市場価格の相場より明らかに高い場合、その価格を参考にして売り出すと、割高な物件になり、買い手はつきにくくなります。
そのため、ある程度は売主自身で、所有する物件と条件が似た物件の相場を調べておくことをおすすめします。
媒介契約を慎重に選ぶ
不動産会社に売却活動を依頼する際には、媒介契約を結びますが、こちらの内容については、慎重に選ぶべきです。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3つがあります。
一般媒介契約は、同時に複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約であり、専任媒介契約は、1社にのみ仲介を依頼することが可能です。
また、専属専任媒介契約は、その1社にのみ仲介が可能で、なおかつ売主自身で見つけた買い手と契約することはできませんが、売却活動には多大な力を注いでくれます。
そのため、契約の自由度を優先するのか、特定の一社の売却能力を信じるのかによって、選ぶべき契約形態が変わってきます。
査定価格と売却価格の違いを把握する
不動産会社が産出する査定価格と、実際の不動産を売却する際の売却価格は、まったくの別物です。
そのため、査定価格が良かったとしても、その価格で売れると考えてはいけません。
もちろん、査定価格に近い売却価格を実現できる可能性はありますが、実際は値引き交渉などが行われることも多く、ある程度は査定価格よりも下がることを想定しておくべきです。
また、査定価格の算出基準については、不動産会社によって微妙に異なります。
よって、そもそも査定価格が高かったとしても、他の不動産会社が算出した査定価格も確認しなければ、その金額が信頼できるものなのか判断できません。
売却価格と手元に残る金額の違いを把握する
例えば、不動産の売却価格を3,000万円に設定しているとき、こちらの物件が売却できたからといって、売主は3,000万円が手に入るわけではありません。
不動産売却には、さまざまな費用がかかります。
具体的には、不動産会社に支払う仲介手数料、登録免許税、印紙税、固定資産税などの税金類の他、ローン繰り上げ返済手数料や司法書士への報酬が必要なケースもあります。
そのため、すべての金額が手元に残ると考え、住み替えの計画などを進めてしまうと、思い通りに進まなかったり、どこかで資金ショートが起きてしまったりする危険性があります。
まとめ
ここまで、上手に不動産売却を行うために抑えるべきポイントをいくつか解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
不動産の売却活動自体は、基本的に不動産会社に任せるものですが、売主もある程度準備や工夫をしなければ、なかなか理想の不動産売却は実現できません。
今回解説した内容は、そこまで費用や手間がかかるような作業ではないため、必ず実践することをおすすめします。