不動産売却は、大きな金額が動く、人生の中でも大きなイベントの一つであり、そう何度も経験するものではありません。
また、売却までスムーズに進めば良いですが、残念ながら不動産売却にはさまざまなリスクが潜んでいます。
ここからは、具体的にどのようなリスクがあるのかについて解説したいと思います。
住居の売却における主なリスク
住居の売却に潜む主なリスクは以下の通りです。
・引き渡しまでに新しい住まいが決まらない
・ダブルローンの支払い
引き渡しまでに新しい住まいが決まらない
住居を売却する場合、売主は引き渡しまでに次の住まいを確保しなければいけません。
こちらは、いわゆる売り先行で買い換えを行う場合の流れです。
しかし、なかなか次の住居が見つからない場合、売主は仮住まいといって、一時的に住む家を確保しなければいけません。
こうなると、余計な費用がかかることにつながります。
ダブルローンの支払い
住居の住み替えを買い先行で行う場合、売主は現在居住する住居の住宅ローンとあわせて、新居でも住宅ローンを組むことがあります。
そして、現在の住居を売却した後、その売却益でローン残債を完済し、新たに組んだローン一本にします。
しかし、このようなケースでは、なかなか買い手が見つからない場合、2つの住宅ローンを同時に支払い続けなければいけません。
こちらは、経済的な負担が大きく、なおかつ新居を持て余すことにもつながります。
土地の売却における主なリスク
所有する土地の身を売却する際の主なリスクとしては、以下のようなことが挙げられます。
・隣地の持ち主と揉める
・取り壊し費用が高額になる
隣地の持ち主と揉める
土地の中には、隣地との境界が複雑になっているものも存在します。
例えば、境界杭がなかったり、隣地の敷地の境界線付近に占有物があったりする場合、なかなか境界を確定できません。
こちらは、何代にもわたって受け継がれているような土地でよくあることです。
また、このような土地では、境界の認識について隣地の持ち主とトラブルになり、なかなか不動産売却に移ることができないことも考えられます。
取り壊し費用が高額になる
更地ではなく、現時点で建物が建っている土地を更地として売却する場合、建物は取り壊さなければいけません。
しかし、こちらの取り壊し費用は、思いの外高額になることがあります。
また、金額は建物の構造が丈夫であるほど、より高額になる傾向にあります。
例えば、20坪の住宅を取り壊す場合、木造であれば80~100万円程度の金額ですが、RC造の場合は120~160万円程度かかることもあります。
不動産売却全体の主なリスク
住居や土地にかかわらず、不動産売却全体に存在するリスクとしては、なかなか買い手が見つからないリスクや、買い手に契約をキャンセルされるリスクなどが挙げられます。
不動産を売り出したものの、なかなか買い手が見つからない場合、その物件には徐々に売れ残りのイメージがつくようになります。
このような物件は、「何か問題があるのかもしれない」と警戒され、さらに売れにくくなる可能性があります。
また、一度買主が見つかったにもかかわらず、契約をキャンセルされると、売主はまた一から購入してくれる方を探さなければいけません。
さらに、住宅ローン特約が付いた不動産売買契約の場合、売主は買主に手付金を返還しなければいけないため、経済的な利益は一切発生しません。
まとめ
ここまで、不動産売却におけるさまざまなリスクについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
不動産売却を滞りなく進めるためには、前述したようなリスクを事前に把握し、実際にトラブルが発生したとき、いかに迅速に対応できるかがポイントです。
そのため、不動産売却に関する予備知識は、なるべく多く持っておくに越したことはありません。