不動産売却を行う際、売主はさまざまな工夫により、他の売り出し物件と差を付けたり、早期に売却したりすることを考えなければいけません。
また、そんな工夫の一つに、ホームステージングというものがあります。
ここからは、不動産売却時に行うホームステージングの概要やメリット・デメリットなどについて解説します。
ホームステージングの概要
ホームステージングは、不動産を売却する際、室内をインテリアや小物などで飾り付け、モデルルームのような演出をすることです。
ホームは家、ステージングは演出を意味しています。
モデルルームは、一般的に部屋を演出するだけですが、ホームステージングは住環境、ライフスタイルなどの住まいや暮らしに関する提案という広い意味があります。
アメリカでは、40年以上も前からホームステージングの考え方が広まり、現在では住宅を売却する方の多くが利用しています。
また、日本でも数年前から、売却時の工夫として、ホームステージングを選択する方が増えてきました。
ホームステージングの主なメリット
ホームステージングを行うことにより、物件に個性が出るため、不動産情報サイトなどにおける閲覧数増加が期待できます。
不動産をスムーズに売却するには、まず多くの購入希望者の目に留まるようにしなければいけないため、こちらは大きなメリットです。
もちろん、Webサイトの閲覧数が増加すれば、必然的に物件の内見希望者も増加します。
また、ホームステージングを行えば、購入希望者に対し、その部屋で暮らすイメージを持ってもらいやすくなります。
設置されている家具などが魅力的なものであれば、その物件自体も魅力的に映ります。
ちなみに、2017年の日本ホームステージング協会のデータによると、ホームステージングをしなかった場合の不動産売却が平均124日かかっているのに対し、ホームステージングを行った場合では、40日まで売却期間が短縮されていることがわかっています。
ホームステージングの主なデメリット
ホームステージングは、ハウスクリーニングなどと同じく、当然実施するための費用がかかります。
詳しくは後述しますが、こちらの費用がかかる分、実質的な売却価格は下がることになります。
また、ホームステージングを行って不動産売却をする場合、ターゲットをしっかりと絞り込み、その層に合わせたインテリアコーディネートをしなければいけません。
そうしなければ効果が表れず、むしろ売却期間が長引くことも考えられます。
ちなみに、売却する不動産の状態によっては、ホームステージングを行ってもあまり意味がない可能性があります。
例えば、築年数が極めて長く、破損などが見られるような物件は、どれだけインテリアや小物で飾り付けをしても、魅力的に映らない可能性が高いです。
ホームステージングの費用相場
ホームステージングにかかる費用については、どれくらいの装飾を部屋に施すかによって変わってきます。
一般的には、5万~40万円程度が相場ですが、プランニングのみの依頼の場合、4万~6万円程度で対応してもらうこともできます。
また、ホームステージングの費用に関して注意したいのは、自身の物件の売り出し価格と釣り合っているかどうかです。
例えば、不動産の売り出し価格が数百万円で、ホームステージングを行うのに40万円かかった場合、それだけで実質的な売り出し価格はかなり下がることになります。
まとめ
ここまで、不動産売却時に行うホームステージングについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
とにかく不動産の売却期間を短縮したい方は、ホームステージングによって多くの方の目を引くことをおすすめします。
ただし、実際利用する際には、きちんとホームステージングを取り扱う不動産会社などに依頼し、費用対効果についても考慮しなければいけません。