不動産売却の際、売主は少しでも高い金額で売却したいと考えます。
しかし実際は相場を考慮した価格設定にする必要があります。
また買い手の多くは、その不動産について値引き交渉を行います。
ここからは、不動産売却時の値引き交渉における売主の対応やポイントを解説します。
値引き交渉は必ず対応すべきなのか?
結論からいうと、売主に値引き交渉に対応する義務はありません。
つまり必ずしも応じる必要はないということです。
早期売却を目指すため、最初から相場より低い価格設定をしている売主もいるでしょう。
このようなケースでは、不動産会社を通じて断っても問題ありません。
特に複数の購入希望者がいる場合、売主はもっとも良い条件の購入希望者を選べます。
このとき、大幅な値引き交渉ばかり求められる購入希望者は避けるのが無難です。
ただし一切購入希望者の言葉に耳を貸さず、門前払いをするのはNGです。
ある程度話を聞いた上で丁重に断る方がトラブルを避けられます。
ちなみに値引き交渉に応じる際は、交換条件を出すことも検討すべきです。
例えば、値引きをする代わりに残置物の処理を依頼するといった交換条件です。
値引き交渉の相場について
不動産売却時の値引き交渉には相場が存在します。
こちらは物件価格が2,000~3,000万円の場合、100~200万円ほどです。
売り出し価格を決める際、上記の値引きがされることを想定しておきましょう。
もちろん、不動産の売り出し価格が大きければ値引き金額も大きくなります。
ちなみに、不動産売却時は売主が売り出し価格を決定します。
しかしこちらは不動産会社から金額が提案されるケースがほとんどです。
そして不動産会社が提案する売り出し価格は、査定額の105%ほどになっています。
つまり少し高めの設定になっているということです。
そのため数百万円値引きされても、売主はダメージが少なくなることが予想されます。
売り出し直後の交渉には応じない
不動産を売り出してからその情報が世に出るまでは、最低でも1ヶ月ほどかかります。
そのため売り出し直後の交渉には応じないのが無難です。
売り出し直後に現れた購入希望者は、購入したい意欲が強いと考えられます。
その物件が良いとなれば、そのままの価格で購入してもらえる可能性もあります。
しかし早期に値引きしてしまうと、このようなチャンスを逃すことが考えられます。
また購入希望者は「交渉次第でもっと下がるかもしれない」と考えます。
こうなるとさらなる値引き交渉が行われることも危惧されます。
結果買い手側に有利なペースになり、売主は希望価格での売却が困難になります。
不動産の値引きを避けるには?
買い手からの値引き交渉は、ほとんどのケースで行われます。
しかし、売主はできることなら避けたいものです。
そのためには、まず不動産を繁忙期に売り出すことが大切です。
春先などの繁忙期は不動産の需要が多く、値引きなしで売却できる可能性が高まります。
仮に値引きがあったとしても、少額で済むケースが多いです。
また当然の話ですが、購入希望者が物件を気に入ってくれればスムーズに売却できます。
このことから、不動産の印象アップを図ることも重要です。
例えば部屋の清掃や家具の整理、ニオイ対策などはしっかり行うべきです。
場合によっては、物件をモデルルームのようにするホームステージングも利用します。
まとめ
ここまで、不動産売却時の値引き交渉におけるポイントについて解説しました。
冒頭でも触れたように、売主はなるべく高額な売却を達成したいものです。
しかし買主は、なるべく安く購入したいと考えます。
つまり真逆のことを考えているということです。
そのため不動産売買では、双方の意見を反映した落としどころを見つけるのが大切です。
いずれかの意見ばかり通そうと考えると、トラブルにつながる可能性が高いです。