不動産売却を問題なく終わらせるには、いくつもの段階を正しい順序で踏んでいく必要があります。
しかし実際に売却活動を始めてみると、ついつい必要な手続きを忘れてしまうこともあります。
特に初めての不動産売却では、このような失敗がよく起こります。
今回は、不動産売却で忘れがちな手続きについて解説します。
不動産売却で忘れがちな手続き5選
以下の手続きはつい抜けてしまいがちなため、これから不動産売却を行う方は注意してください。
・必要書類の取得
・住宅ローン残債の確認
・ホームインスペクションの実施
・銀行への連絡
・転居の準備
各項目について詳しく説明します。
必要書類の取得
不動産売却を行う際はさまざまな書類を取得しなければいけませんが、以下の書類は取得するのを忘れがちです。
・修繕、リフォームの契約書
・パンフレット、図面
過去に物件の修繕やリフォームを行った場合、その内容がわかる契約書があれば、売却時に有利になる可能性があります。
また新築で購入した物件のパンフレットや図面があれば、物件の詳細情報が得られるため、売却活動を進めやすくなります。
これらの書類は必須のものではありませんが、不動産売却において便利なものであるため、なるべく早めに用意しておきましょう。
住宅ローン残債の確認
不動産売却時には、売却物件の住宅ローン残債の確認も忘れがちです。
もし残債が残っていたら、その物件の抵当権を抹消することができず、売却活動を進めるのが難しくなるおそれがあります。
そのため、売却活動を始める前に、金融機関に問い合わせて確認しておきましょう。
ホームインスペクションの実施
不動産売却時には、ホームインスペクションの実施も忘れることが多いです。
ホームインスペクションは、住宅の設計や施工に関する専門家が、住宅の状態について調査を行い、欠陥の有無や修繕すべき箇所などを診断してくれるサービスです。
こちらは必須の手続きではありませんが、実施することによって物件の安全性を証明でき、不動産売却が有利に進められます。
そのため、多少コストがかかっても実施することをおすすめします。
銀行への連絡
銀行への連絡も、不動産売却時にはつい忘れがちになるため、注意が必要です。
こちらは、買主と不動産売買契約を締結した後に行う手続きです。
不動産に設定された抵当権は、買主に物件を引き渡すタイミングで解除されます。
そのため、引き渡しの際には、抵当権を設定した銀行の担当者が同席することになります。
また銀行の担当者は、抵当権抹消のための書類を持参してくれますが、前もって引き渡し日のスケジュールを伝えておかなければ、当然書類の準備ができません。
転居の準備
不動産売却に伴う転居の準備は、忘れがちというよりは遅れがちになる手続きの一つです。
売主は買主に物件を引き渡すため、室内を空の状態にする必要があります。
家具や家電などはもちろん、ゴミなどの残置物も一切ない状態にします。
しかし先に不動産を売却し、後から新居を探す売り先行の住み替えでは、この時点でまだ新居が決まっていない可能性があります。
このような場合、新居探しで手一杯になり、決定したときにはすでに引き渡しが直前にまで迫っていることも考えられます。
室内をキレイにして引き渡さなければ、買主とのトラブルが発生する可能性もあるため、売り先行であっても新居探しと転居準備はバランス良く並行しなければいけません。
まとめ
不動産売却では、前もってしっかりスケジューリングをしたにもかかわらず、手続きを忘れてしまうというケースが多々あります。
それだけやることが多く、複雑な手続きも多いということです。
もちろん、事前に情報を詰め込みすぎて頭でっかちになるのも良くありませんが、何も考えずに不動産売却を始めるよりはその方が賢明だと言えます。