親から相続した物件が自宅から離れたエリアにある場合、頻繁に通うことができないため、つい放置してしまいがちです。
また適切に管理しないまま放置していると、いわゆるゴミ屋敷になってしまう可能性があります。
今回はゴミ屋敷の概要、ゴミ屋敷を売却する際の一般的な流れについて解説します。
ゴミ屋敷とは?
ゴミ屋敷は建物の敷地内がゴミで溢れていることから、生活が可能な空間がほとんどなく、なおかつ管理もされていない状態の住居です。
一般的には、収集癖のある住人がゴミに近いものを集めてくることにより、形成されるケースが多いです。
また相続物件の場合、所有者本人ではなく第三者の不法投棄や不法占拠などによってゴミが溜まり、ゴミ屋敷になるケースがよく見られます。
ちなみにゴミ屋敷は、火災のリスクが高い上に環境や景観を損ねるため、なるべく早めに処分することが望ましいです。
ゴミ屋敷を売却する際の一般的な流れ
ゴミ屋敷化してしまった物件の売却は、以下のような流れで行われます。
・不動産会社に相談する
・ゴミを処分する
・解体、リフォームを行う
・不動産会社と媒介契約を結ぶ
・購入希望者と交渉する
・契約、引き渡し
各項目について詳しく説明します。
不動産会社に相談する
ゴミ屋敷を売却する際、まずは不動産会社に相談します。
一般的な不動産売却ではないため、前もってその道のプロにアドバイスを受けることは大切です。
また不動産会社に相談することで、以下の疑問を解決できる可能性があります。
・現況のまま買い取ってもらえるか
・更地にすべきなのか、建物を残してリフォームすべきなのか
・どこまでリフォームすべきなのか(マンションの場合)
現況のまま買い取ってくれる不動産会社であれば、そのまま売却手続きに進むことができます。
ゴミを処分する
買い取りではなく第三者への売却を行う場合、ゴミを処理しなければいけません。
複数のゴミ処理業者に見積もりを出してもらい、もっとも条件が良い業者と契約しましょう。
ちなみにゴミの量が多かったり、汚れがひどかったりする場合、処理にはかなりのコストがかかります。
解体、リフォームを行う
ゴミの処分が終わってもニオイや汚れなどが残っている場合、建物の解体もしくはリフォームを行います。
ちなみにマンションの売却を行う場合、解体はできないため、必然的にリフォームを選択することになります。
不動産会社と媒介契約を結ぶ
解体やリフォームが終了した後は、一般的な不動産売却とほぼ同じ流れになります。
複数の不動産会社に依頼し、不動産価格を査定してもらった後、相場に近い査定価格を算出してもらった不動産会社と媒介契約を結びます。
査定価格が高すぎる不動産会社は、実際の売却金額と大きく乖離する可能性があるため、避けるのが無難です。
購入希望者と交渉する
購入希望者が見つかった場合は、物件の内見や交渉を行います。
このとき注意したいのは、以前ゴミ屋敷であった旨を伝えなければいけないということです。
伝えずに契約してしまうと、汚れやキズなどが後から見つかり、売主は契約不適合責任における損害賠償請求などに応じなければいけない可能性があります。
契約、引き渡し
購入希望者との交渉が完了したら、不動産会社を介して不動産売買契約を締結します。
お互いに契約書の内容をしっかり確認し、契約を結んだ後、物件を引き渡せばゴミ屋敷の売却は完了です。
まとめ
管理を怠った相続物件などがゴミ屋敷になってしまった場合でも、売却を諦める必要はありません。
正しい段階を踏めば、最終的には一般的な不動産と同じように売却できる可能性があります。
逆にいつまでも放置していると、周辺の住宅なども巻き込んだ問題に発展する可能性があります。
こうなるとゴミの処理だけでは済まなくなってしまうため、注意してください。