不動産売却では、いくつもの段階を1つずつ確実に踏んでいく必要があります。
またこれらの段階には当然異なる注意点、意識すべきことがあるため、事前にできる限り押さえておくのが望ましいです。
今回は不動産売却の特に忘れがちなポイントについて、段階ごとに解説します。
売却計画を立てる際のポイント
不動産売却の計画を立てる際は、目的や必要金額、その他の条件などを明確にします。
しかし、ここで売却期限を設定し忘れる方は多いため、注意してください。
理想的なのは、明確に“〇月〇日までには売る”と決めておき、そこから逆算して、他の段階をクリアするまで期限も定めておくという方法です。
こうすることで、大きな計画の乱れが発生しにくくなります。
査定、物件の確認、調査におけるポイント
査定や物件のチェック、調査におけるポイントは多岐に渡りますが、忘れがちなポイントとしてはやはり設備の確認が挙げられます。
これまでの生活で使っていた設備を残したまま不動産を売却する場合、動作確認や劣化状況のチェックなどを怠ると、後々トラブルが発生するかもしれません。
権利関係や法律上の制限等とあわせて、必ず確認しておきましょう。
媒介契約時のポイント
不動産会社と媒介契約を結ぶ際は、各契約形態における特徴等をチェックするのはもちろん、売却活動に入る前に必要な書類に記入することも忘れてはいけません。
具体的には、物件状況等報告書への記入です。
物件状況等報告書とは、売却する不動産について売主が知っていることを記載し、買主に伝えるための書類をいいます。
記入し忘れると、買主に物件の劣化具合などを伝えられませんし、そもそも売却活動に入ってもらえません。
売却活動開始直前におけるポイント
売却活動開始直前には、必要な資料や書類等の準備を忘れないようにしましょう。
例えば設備機器の仕様書や説明書などの書類は、購入希望者の質問に素早く答えるために必要であるため、早めに見つけておくべきです。
売却活動におけるポイント
売却活動開始後は、現在の購入希望者はどれくらいいるのか、何人くらいに物件情報を見てもらっているのかなどに気が行きがちです。
もちろんそこに着目するのも大事ですが、忘れてはいけないポイントとしては、不動産会社における売却活動の内容をチェックすることも挙げられます。
すべての不動産会社で、売主が思い描いている売却活動が行われているとは限りません。
購入申し込み、売買契約におけるポイント
買主が決定し、いよいよ売買契約を締結するという段階になっても、まだ油断してはいけません。
売買契約時には重要事項説明など注意すべきポイントがたくさんありますが、見落としがちなのが、契約書に記載する買主の決済希望日についてです。
決済希望日とは、買主が残代金を支払える日のことをいいますが、これは基本的に法務局、金融機関が営業している平日の午前中に設定されます。
もし法務局や金融機関の休日になっていれば、売主はその日に残代金を受け取れません。
売買契約後におけるポイント
売買契約後、売主は物件の引き渡しに向けた準備を行います。
このとき既存ローンの完済や引っ越しなど、さまざまな手続きをする必要があるため、とても忙しくなります。
ただし引き渡しのことばかりでなく、新居に関することもこのタイミングで忘れずに考えておきましょう。
例えば、新居のレイアウト、各部屋の使用用途などです。
残代金決済、引き渡しにおけるポイント
買主に残代金を支払ってもらった後、物件を引き渡すことで不動産売却は完了します。
ただしこのときには他にも買主に渡すべきものがたくさんあるため、注意が必要です。
家の鍵や権利証などに関しては渡し忘れる可能性は低いですが、管理規約や宅配ボックスのカードキー、ポストの暗証番号等は渡し忘れ、伝え忘れが起こりやすいです。
まとめ
不動産売却に失敗はつきものです。
ほとんどの方が初めて売却を行うわけですから、失敗しない方が珍しいくらいです。
しかし、そうはいっても失敗やトラブルは不動産売却を停滞させてしまうため、前もってそのリスクを軽減させておくことは大切です。
トラブルのない不動産売却ではなく、トラブルがあってもカバーできる不動産売却を目指しましょう。