近年、空き家は増加傾向にあるのですが、管理が行き届かないことや無断使用による治安の悪化など、社会問題にもなりつつあります。
相続が発生したとき、財産の中に空き家が含まれていた場合は売却することで特別控除があるため、不要なら売却してしまった方が良いのです。
空き家の特別控除について、解説します。
相続空き家の特別控除とは?
空き家を売却したときに得られる売却利益は譲渡所得として扱われるため、譲渡所得税も課されることになります。
譲渡所得には所得税と住民税が課税されるため、売却益に所得税15.315%と住民税5%、合計20.315%が課税されるのです。
空き家の場合、課税対象額となる売却益に対して3,000万円の控除を受けることができるようになっているのです。
特別控除の制度は平成28年4月1日から始まって、平成31年12月31日までとなっていたのですが、令和9年までに延長されました。
現状、期間を過ぎた場合は控除を受けることができないため、売却を考えているのであれば今の内に売却してしまった方が良いでしょう。
売却益は売却した金額そのままではなく、売却した金額から取得費用や譲渡費用を差し引いたものとなります。
もし、空き家と土地を購入した金額よりも現状の売却代金の方が低ければ、課税対象とはならないのです。
また、特別控除は空き家を売却するのであれば無条件に適用されるわけではなく、一定の適用条件があります。
控除の適用条件は?
控除の適用条件として、まず相続もしくは遺贈によって、元々被相続人が住んでいた家と土地を取得した場合いうのが条件です。
相続後は売却するまでに事業や借家、居住などを行っていないことも条件に含まれていて、一定の耐震基準も満たしていなければいけません。
建物を取り壊して敷地だけを売却する場合も含まれるため、耐震基準を満たしていない建物の場合は、建物を取り壊してからであれば控除を受けることができるのです。
相続後も、いつでもいいというわけではなく、相続を開始してから3年目となる年の12月31日までに売却しなくてはいけません。
売却する人がすでに他の特例を適用されている場合や、身内に対して売却した場合なども適用されなくなるでしょう。
空き家売却時の控除を受けるためには、確定申告の際に譲渡所得の内訳書など売却内容が適用条件に合っていることを証明できる書類が必要となります。
現在は空き家の固定資産税について軽減されない場合も増えているので、不要であれば控除を受けられる今のうちに売却してしまった方がいいかもしれません。
まとめ
空き家を相続した場合、空き家を活用するという方法もありますが、特に必要ない場合は売却することを検討しましょう。
空き家を売却する際は、一定の条件を満たしていれば特別控除があるため、譲渡所得税はかなり軽減されるのです。
また、耐震基準をクリアしていない建物の売却は対象外となってしまいますが、建物を取り壊して土地だけ売却するのであれば問題ありません。