
不動産を所有する方の中には、空き家の使い道がなくて困っているという方もいるかと思います。
例えば急な相続で親の居宅を取得することになった方などは、このような状況になりやすいです。
しかし使い道がないからといって、放置するのは危険です。
今回は、空き家を売却せずそのままにすることのリスクを解説します。
税負担が大きくなる
取得した空き家をそのままにしていると、あるタイミングから税負担が大きくなる可能性があります。
こちらは、課税標準の特例の対象外になるからです。
一般的な居宅の敷地には、課税標準の特例というものが適用されるため、土地の固定資産税が軽減されます。
しかし適切な管理がされていない空き家については、その敷地が居宅の敷地とは認められず、特例が解除されます。
その結果、土地の固定資産税は特例が適用されていたときと比べ、3.5倍ほど高くなります。
売却が難しくなる
空き家をそのままの状態にしている時間が長ければ長いほど、売却するのは難しくなります。
なぜなら、建物の状態や環境が劣悪になるからです。
居宅は人が住んでいるため、ある程度管理がされている状態ですが、放置された空き家は一切管理されていません。
管理されていない建物の劣化は早く、瞬く間に外装材や屋根材などは老朽化し、最悪の場合倒壊することも考えられます。
また適切な清掃が行われていない場合、ネズミやシロアリ、ハチといった害虫も発生しやすくなります。
さらに庭がある一戸建ては草木も生い茂り、景観が非常に悪くなってしまいます。
このような空き家は、大規模なリフォームをしなければなかなか売却できません。
近隣住民に迷惑をかける
空き家をそのままにすることで倒壊したり、環境が悪くなったりすると、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
特に飛散した建材などが近隣の住宅や人に当たるなどすると、損害賠償を求められることも考えられます。
また一切管理されていない空き家は、浮浪者などの不法侵入や棲みつき、不法投棄や放火などのターゲットにもなりやすいです。
そのため、生活環境だけでなく治安も大幅に悪化することが予想されます。
まとめ
空き家を活用しようにも、規模が小さかったり僻地にあったりする場合、なかなか活用法は見つかりません。
しかし、だからといって放置していても、所有者本人や近隣住民のデメリットにつながるだけです。
ある程度古びた空き家であっても、早めに修繕工事を行えば売却に出せる可能性がありますし、賃貸物件などとして活用できることも考えられます。
そのため方法はどうであれ、とにかく放置しないことが大切です。