不動産売却は、買い手さえ見つかればいつのタイミングで行えます。
しかしこのとき注意しなければいけないのが、住宅ローン残債との兼ね合いです。
オーバーローンの状態で不動産を売却すると、さまざまな問題につながります。
今回はオーバーローンの概要について、その状態で不動産売却を行うデメリットについて解説します。
オーバーローンの概要
オーバーローンは、不動産の購入価格や不動産価値よりも、住宅ローンの借入額や残債が多い状態です。
物件の購入時、物件価格に加えて不動産取得税や登記費用、仲介手数料などをすべて住宅ローンで借りるとき、オーバーローンになります。
また不動産の価格が購入時の価格よりも下落した場合も、オーバーローンになる可能性があります。
ちなみに不動産の価格が低下する理由としては、地価の下落や建物の老朽化などが挙げられます。
オーバーローンの不動産を売却するデメリット
オーバーローンの状態で不動産を売却するデメリットは、やはり売買代金で住宅ローン残債を賄えないという点です。
通常、住宅ローン残債が残っている物件を売却する場合、売買代金の一部を残債の支払いに充てて完済します。
しかし、オーバーローンは売買代金よりも残債が上回っている状態です。
そのため、売買代金をすべて住宅ローンの返済に充てたとしても、残債は残ってしまいます。
また、返済分を売買代金で補いきれない場合、任意売却や住み替えローンを検討する必要があります。
こちらは手間がかかりますし、任意売却に至っては通常の不動産売却よりも売却額が低くなり、残債が増えるリスクもあります。
オーバーローンの物件は離婚時にもトラブルの元になる
オーバーローンの不動産は、売却時だけでなく離婚時もトラブルの原因になりやすいです。
なぜなら、財産として扱いづらく、財産分与の対象外になる可能性があるからです。
また売却益を財産分与に当てることも、オーバーローンの場合は厳しいでしょう。
夫婦共有名義でそれぞれが住宅ローンを支払っている場合、離婚後もお互いにローンを返済していかなければいけません。
このようなケースでは、家を出る方が不満を持つ可能性が高く、対立の原因になり得ます。
まとめ
オーバーローンの不動産は、オーバーローンになった時点で売却するのが難しくなります。
そのため、本記事でも触れたように、任意売却や住み替えローンなどの対策を講じる必要があります。
任意売却は金融機関と相談し、合意を得た上で物件を売却する方法であり、住み替えローンは新居の購入資金、現在のローン残債の返済資金をまとめて借り入れるものです。