不動産売却を行う売主は、当然可能であれば最初から最後まで、トラブルなく売却を終わらせたいと考えるでしょう。
また不動産売却の状況は売主によってさまざまであり、トラブルをなくすには状況に合った知識が必要です。
今回は、売主が知っておくべき不動産売却の通な情報をいくつかお教えします。
取得費不明でも5%ルールを回避する裏技
先祖代々の土地や数十年前の物件を売却する際、当時の契約書を紛失していると、税務署は売却額の5%を取得費とみなす概算取得費を適用します。
これにより売却益が膨れ上がり、多額の税金が発生します。
しかし、実額推定を活用すればこちらを回避できます。
具体的には市街地価格指数、建物の場合は標準建築費という公的な統計データを用いて、当時の価格を論理的に算出・主張します。
また当時の不動産広告や通帳の出金記録、親族のメモや住宅ローン設定時の登記簿なども有力な証拠になり得ます。
これらを積み上げ、不動産鑑定士や税理士による取得費証明サービスを利用して鑑定意見書を作成・提出することで、手残りの現金を数百万円単位で増やせる可能性があります。
瑕疵保険の付保による売却価格の向上
築年数が古い物件を売る際、買主の最大の不安は隠れた欠陥です。
これに対し、売主が事前に既存住宅売買瑕疵保険に加入してから売り出す戦略は極めて有効です。
こちらは専門家によるインスペクションに合格し、引き渡し後に雨漏りなどの不具合が見つかった際、補修費用が保険で賄われる仕組みです。
築20〜25年を超える木造住宅でも、この保険が付帯していれば、買主は住宅ローン控除などの税減税を受けられるようになります。
買主から見れば“数百万円の実質的な減税”という強力な購入動機が生まれるため、競合物件より強気の価格設定を維持したまま、早期売却を狙うことが可能になります。
セルフ抵当権抹消によるコストカット
住宅ローンを完済した物件を売却する場合、不動産に設定されている抵当権を抹消しなければなりません。
通常、抵当権抹消は司法書士に依頼する必要がありますが、実はこの手続きは売主本人が法務局で行うことが可能です。
方法は非常にシンプルで、銀行から送られてくる抹消書類一式を持ち、管轄の法務局を訪れるだけです。
売却時の決済現場では司法書士が立ち会うため、その場で依頼した方が確実ですが、完済から売却までに期間がある場合は、自分で済ませることで無駄な支出をカットできます。
まとめ
不動産売却において売主が行うことは、単純に不動産会社に仲介を依頼し、買主が現れるのを待つことだけではありません。
もちろん、それでも良い売買契約が成立する可能性はありますが、トラブルや納得いかない契約を避けるには、やはりある程度行動することが大切です。
特にコストを減らしたり、売却がスムーズにいきやすくなったりするための行動は必要不可欠だと言えます。
