不動産売却の売買契約時には、主に売主と買主、そして仲介する不動産会社が立ち会います。
また決済・引き渡し時は、これに加えて司法書士や金融機関の担当者なども参加します。
では、売主が多忙などにより不動産売却に立ち会えない場合はどうすれば良いのでしょうか?
今回は具体的な対処法を解説します。
代理人を立てる
売主が立ち会えない場合は、信頼できる親族や知人を代理人として立て、手続きを委任する方法が一般的です。
この場合、所有者本人の意思を確認するための委任状が必要になります。
委任状には、誰にどのような権限(契約締結、代金の受領など)を委任するかを明記し、本人の実印を押印します。
あわせて本人の印鑑証明書や住民票、身分証明書の写しも必要となるため、事前に不動産会社や司法書士に必要書類を確認しておくことが重要です。
注意点としては高額な取引であるため、安易に代理人を決めるのではなく、金銭トラブルを避けるために細部まで意向を共有できる人物を選ぶことが挙げられます。
持ち回り契約
売主と買主が対面せず、契約書類を郵送でやり取りして署名・捺印を行う方法を持ち回り契約と呼びます。
まず不動産会社が売主のもとへ契約書を送り、売主が署名・捺印して返送、その後買主が署名・捺印することで契約が成立します。
この方法のメリットは、スケジュール調整が難しい場合でも、自宅にいながら手続きを進められる点にあります。
ただし契約内容の口頭説明を受ける機会が限られるため、事前に重要事項説明書の内容を十分に読み込み、不明点を解消しておく必要があります。
また書類の往復に数日から1週間程度の時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが不可欠です。
手付金の受け渡しについても、銀行振込を利用する形になります。
司法書士への一任
決済当日に立ち会えない場合、事前に司法書士と面談し、登記申請に必要な書類一式を預けておくことで、当日の手続きを代行してもらうことが可能です。
司法書士は売主本人と面談し、売却の意思と本人確認を厳格に行った上で、登記手続きの委任を受けます。
また決済当日は、買主から指定口座へ代金が振り込まれたことを銀行や不動産会社が確認し、司法書士がそのまま法務局へ登記申請に向かいます。
この方法は、特に平日の日中に銀行へ行くことができない会社員の方や、物件から遠方に住んでいる方に適しています。
ただし事前面談のために司法書士に出張してもらう場合は別途費用が発生することがあるため、事前に見積もりを取っておくと安心です。
まとめ
不動産売却の売買契約や決済には、必ず売主が立ち会わなければいけないと考えている方もいるかもしれませんが、実際はそうではありません。
忙しい方や遠方に住む方などでも、立ち会わずに売買を成立させる方法はあります。
しかし、もっとも安心で確実な方法は、やはり当事者同士が顔を合わせることです。
そのため、多少忙しいくらいであれば立ち会うことを強くおすすめします。
