不動産売却は、必ずしもスムーズに成約まで進むとは限りません。
場合によっては、買主や売主による“債務不履行”により、大きなトラブルにつながることもあります。
今回は、不動産売却における債務不履行のケースとして、よくある3つのパターン似ついて解説します。
売主の引渡義務不履行
こちらは売主が期日までに物件を引き渡さない、または所有権移転登記の手続きに応じない状態です。
不動産売却では、代金の受け取りと物件の引き渡しを同時に行うのが原則です。
しかし売主の引越しが間に合わない、住宅ローンの完済手続きが遅れるなどの理由で、期日を過ぎても物件を買い手に渡せないケースがこれに該当します。
また契約時には気づかなかった重大な雨漏りなどの不具合が引き渡し前に発覚し、売主が期限までに修繕を行わない場合も、債務不履行とみなされる可能性が高くなります。
これにより買主に損害が生じた場合、売主は賠償責任を負います。
買主の代金支払義務不履行
こちらは買主が売買契約で定めた期日までに、購入代金の残金を支払わない状態です。
不動産売買では契約時に手付金を支払い、後日残金を支払うのが一般的です。
しかし買主が期日までに資金を準備できない、または正当な理由なく支払いを拒否した場合にこの不履行が成立します。
よくあるトラブルとして住宅ローン審査の否決がありますが、契約書にローン特約があれば適法に解約できるため債務不履行にはなりません。
特約がない場合や、買主の手続きの怠慢・自己都合で融資が降りなかった場合は明確な義務違反となります。
売主は相当の期間を定めて支払いを催告し、それでも支払われない場合は契約を解除して違約金を請求する手続きを進めることができます。
契約解除と違約金
どちらか一方に債務不履行があった場合、相手方は契約を解除し、違約金を請求することができます。
法律上、義務違反があってもすぐに契約解除はできず、まずは「○月○日までに義務を果たしてください」と催告する必要があります。
催告しても応じない場合に、初めて契約解除が可能となります。
また不動産売買契約では、トラブル防止のためあらかじめ違約金(一般的に売買代金の10%〜20%)を定めておくのが通常です。
債務不履行による解除が成立すると、違反した側は発生した実際の損害額に関わらず、この違約金を支払わなければなりません。
買主の違反なら手付金が没収され、売主の違反なら手付金の倍返しと違約金の支払いが発生します。
まとめ
不動産売却において、買主が原因の債務不履行はなかなか避けるのが難しいです。
信頼性の高い買主を見定めることが大事ですが、それにも限界があります。
また売主による債務不履行は、絶対に避けなければいけません。
売主本人は正当な理由で引き渡しや名義変更を行わなかったとしても、それが客観的に見るとただの債務不履行になる可能性はあります。
