不動産売却は、一度開始したら通常は買い手が見つかるまで継続して行うものです。
また売主の中には、体調不良やその他住宅における状況の変化などにより、不動産売却を中断せざるを得なくなる方もいます。
しかし不動産売却の中断には以下のようなデメリットがあるため、できる限り避けるべきです。
売却活動費用の自己負担と違約金発生のリスク
不動産売却を中断する際、それまでにかかった広告費や媒介契約の解約にともなう費用が自己負担になる場合があります。
通常不動産会社に支払う仲介手数料は成功報酬型のため、売却を中断しても支払う必要はありません。
しかし売主側の都合で特別な広告を依頼していた場合や、媒介契約の期間満了を待たずに一方的に中途解約をした場合、話は別です。
この場合、不動産会社からそれまでに実費としてかかった広告宣伝費や営業経費を請求されるトラブルに発展することがあります。
さらにすでに買主が見つかっていて売買契約を締結した後に中断(解約)する場合は、手付金の倍返しや、契約書に定められた違約金を支払わなければなりません。
仲介手数料に関しても、売買契約成立後であれば不動産会社への支払い義務が発生するため、多額の金銭的損失を被るリスクが高まります。
物件の売れ残りイメージによる資産価値の低下
一度市場に出した物件の売却を中断し、将来的に再売り出しを行う場合、物件のイメージが大きく悪化するデメリットがあります。
不動産ポータルサイトや広告を頻繁にチェックしている購入検討者や地元の不動産会社は、「以前も見かけた物件だ」と気づきます。
長期間売り出されていた記憶や、途中で引っ込めたという経緯がある物件は、「価格が高すぎるのではないか」といった根拠のない不信感を持たれやすくなります。
その結果、再開した際に見込み客が集まりにくくなり、大幅に値下げをしなければ売れなくなったり、売却までに長い期間を要したりする悪循環に陥る可能性が非常に高くなります。
期間損失と生活設計の狂い
売却の中断は、最適な売り時を逃す機会損失につながるとともに、今後の生活設計や資金計画を大きく狂わせます。
不動産市場は常に変動していて、景気の後退や近隣の競合物件の増加、金利の上昇などが重なると、再開時には市場価値がさらに下がっている可能性があります。
また住み替えを前提としていた場合、新居の購入手続きや住宅ローンの審査、引越しのスケジュールがすべて白紙になり、手付金の没収やプランの組み直しを迫られます。
売却代金を借入金の返済や老後資金、相続対策などに充てる予定だった場合も、その計画がすべて停滞します。
結果として、維持費を支払い続けながら、精神的なストレスや不安を長期間抱え続けることになります。
まとめ
冒頭で触れた通り、不動産売却にはやむを得ず中断しなければいけないというケースがあります。
しかし、できる限り一度始めた売却活動は、やはり買主との成約に至るまで継続することが望ましいです。
そのため、売主は不動産を売りに出す前に、売却の中断につながるような不安材料がないかどうか確認しておかなければいけません。
