不動産売却を行った後は、確定申告をしなければいけないケースが一般的です。
しかし特定の条件を満たすことで、確定申告が不要になるもしくは実質的に免除になる特殊なケースがいくつか存在します。
今回は、今後不動産売却を行う方に向けて、こちらのケースを3つほど紹介したいと思います。
売却益がマイナスで税金が発生しないケース
不動産を売却しても利益が出ず、売却損が発生した場合は確定申告の義務はありません。
譲渡所得は、譲渡価額−(取得費+譲渡費用)で計算します。
購入時の金額や経費の合計が売却額を上回り、計算結果が赤字になれば課税対象となる利益がなくなります。
ただし、これは“税金を納める義務がない”という意味での不要ケースです。
マイホームの売却で損が出た場合に利用できる損益通算や繰越控除といった税金上の特例を受けたい場合は、特例適用のためにあえて確定申告を行う必要がある点に注意してください。
純粋に損をして何も特例を使わない場合のみ、完全な申告不要となります。
特別控除の枠内で利益が相殺され、かつ特例を適用しないケース
マイホームを売却した際、最高3,000万円まで利益を差し引ける3,000万円の特別控除などが有名ですが、通常これらの特例を受けるには確定申告が必須です。 しかし、これとは異なり、特例を使わなくても最初から課税されない特殊なケースがあります。
例えば、平成21年・22年に取得した土地を5年超保有した後に売却した場合の1,000万円の特別控除などにおいて、自動的に非課税枠が適用され、最終的な課税譲渡所得がゼロ以下になることが確定しているケースです。
ただし、税務署からの“お尋ね”に対して売却損益の証明を求められることがあるため、基本的には“特例を利用する=申告が必要”と覚えておき、完全に不要となるのは極めて限定的な制度に合致した場合のみです。
固定資産税の評価額が極めて低く、譲渡費用等で相殺されるケース
こちらは田舎の山林や原野、あるいは著しく老朽化した空き家など、資産価値が数十万円程度の不動産を売却したケースです。
このようなケースでは、売却価格そのものが極めて低いため、過去の取得費と仲介手数料や測量費、解体費といった譲渡費用を差し引くだけで、確実に譲渡所得がゼロまたはマイナスになります。
利益が1円も出ていないことが明らかなため、確定申告は不要です。
さらに、売却に伴う利益が実質的に発生しないような低額取引の場合、税務署から申告を求められることもまずありません。
ただし、念のため当時の売買契約書や、解体・測量にかかった費用の領収書などは、売却後も手元にしっかりと保管しておくことが推奨されます。
まとめ
不動産売却を終えた方にとって、確定申告はハッキリいって少し煩雑な作業です。 物件が売却できたこと、利益を獲得したことに満足し、つい確定申告を忘れてしまうというケースも珍しくありません。 ただし、前述したケースでは確定申告が必要なくなるため、不動産売却全体で見たときに、売主の負担は多少軽減されることになります。
